今日は和洋国府台女子中学校の理科教育についてお伺いします。実験の回数が中学3年間で100種類にも及ぶと聞きました。ものすごい数ですね。
実験の回数が多いのには理由があります。というのも、和洋国府台女子中学校の理科では『実体験を重視』しているからです。
現代に生きる子供たちはテレビやインターネットからもたらされる映像によって多くの疑似体験をしています。しかし、一見多くのことに接しているようで、生活の中で、実体験をすることが乏しくなってしまいました。
魚ですね。先日も築地市場が豊洲市場に移転したことがニュースで取り上げられていました。多くの人が映像でマグロの解体シーンを目にしたことでしょう。しかし、実際に魚をさばいたことがある人はどのくらいいるでしょうか。
現代では魚はさばかれた状態でスーパーマーケットで購入ができます。よって、実際に食べ物が生き物であるということがわかりづらくなっています。
知識では知っていますが、切り身の魚と実際の魚はつながりにくいです。
その通りです。知識をえることは大切なことですが、その知識を確かなものにするには実体験が必要です。そこで、和洋国府台女子中学校では、アジやイカの解剖を一人一匹ずつおこなっています。
実体験から学習するということを考えれば、そのような機会が必要だと思います。同じように様々な場面で、実体験を重視し、科学的なものの見方、考え方を身につけようとすると、結果的に3年間で100回くらいの実験回数となってしまいます。
さらに、実験後にはレポート作成をすることになります。こういった活動を通じて、常に疑問をもって考え、判断するようにうながしています。
それだけたくさんの実体験、そしてレポートを行なっていると、将来にも大きな影響がありそうですね。
はい、実際に卒業生の話を聞くと、理科実験の楽しさがきっかけとなり、その後の進路に影響があったようです。